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2009.6.5更新

第4回 「可能性の広がる、"緑"の価値」

CSRデザイン&ランドスケープ設計事務所 有限会社 代表取締役 平松宏城 氏 

 アメリカでは、LEED(Leadership in Energy and Environmental Design)という環境性能評価制度があります。現在のところ、LEEDでは、評価項目の8割が建築、2割が外構やランドスケープという内訳となっているとのこと。今回は、LEED-AP(Accredited Professional)の資格を持ち、国内で唯一LEED認証の取得に関するコンサルティングをおこなっている平松宏城氏にお話をうかがいました。平松氏は、緑に関わる仕事に携わる以前は日米の証券会社に勤務し、金利・為替のディーリング、不動産証券化等に携わる仕事をしていたという興味深い経歴の持ち主です。ランドスケープと金融の両方の世界を熟知している平松氏に、SEGESをはじめとした緑による社会・環境貢献と、金融・不動産業との関係性などについてお話をうかがいました。


平松 宏城 氏

CSRデザイン&ランドスケープ設計事務所 有限会社
代表取締役
 

NPO法人日本ゼリスケープデザイン研究協会 理事。LEED-AP(US Green Building Council)、一級造園施工管理技士。1961年生まれ。1984年 大阪外国語大学 インドネシア語学科卒業。19年間、日米の証券会社に勤務(内4年間在ニューヨーク)。

平松宏城 氏
2002年に、メリルリンチ証券マネージングディレクター(債券部門金融法人統括)からランドスケープデザインの世界に転身し、2006年CSRデザイン&ランドスケープ設計事務所を起業。金融システムとの連携を図りながら、一貫して持続可能なランドスケープの推進に努め、現在に至る。
SIF-Japan (NPO 法人 社会的責任投資フォーラム) 運営委員、不動産における「環境」の価値を考える研究会 委員(国土交通省土地・水資源局土地市場課 委託事業)、他。


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環境の視点で国土やインフラの整備を

 ………金融の世界からランドスケープ・CSRの世界への転身のなぜ
 7年前の時点でお金がお金を生むようなビジネスモデルに限界を感じていました。安く買って高く売る。それもできるだけ短期間に。丹精込めて何かをつくりあげるとか、じっくりと時間をかけて、育て上げていくという、ランドスケープとか造園とは、正反対の価値観。レバレッジをかけて、小さなリターンを何倍にもしていくような手法が効率的であるとされる世界に違和感を覚えるようになってきたことが、転身を考えるきっかけとなりました。
 そうした時に、あらためて日本の街並みや景観を見たときに、「これが世界第2位のGDPを誇る国なのか」と愕然とする思いをしました。経済活動の豊かさが、国土に蓄積されていない現実。新しいものを建てるときはGDPにプラスとしてカウントするけれど、美しい景観や環境を壊した方はマイナスのカウントをしない。GDPとして数字を稼いでも、それは国の豊かさを示しているものではないと思うのです。そのような諸々の想いが、金融システムとの連携を図りながら、持続可能なランドスケープの推進を試みる動機となりました。
 現在直面している経済危機では、為替が動くと軒並み総赤字になってしまい、産業構造が外需に依存しすぎていることが明らかになりました。現在の日本の経済構造を内需型に転換していくためには、環境の視点で国土やインフラの整備に投資していくことが必要であると考えます。そこで、緑が果たす役割が大きくなるはずです。日本の庭園、造園技術は世界から尊敬されているにもかかわらず、その技術や感性がまちづくりに反映されていないことは本当に残念に思います。

 

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