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2008.3.18更新

第3回 「社会・環境貢献とCSRの現在」

株式会社 創コンサルティング 代表取締役 海野みづえ 氏

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グローバル化とCSR


 国内では目が届いても、グローバル化すると国内では考えられなかった社会的要因が問題になってきます。日本でも原料や国外に工場を置く企業は多く、現地で汚染を出さないように、装置を付けたりということはきちんとやっています。それでも調達先や、自分の会社で手の届く範囲の外で問題が発生してきて、CSRを問われてきています。国外で問題が起きたら、自分の国ではないから関係ないとは全く言えない。地域とのつきあい方が重要という認識がやっとでてきました。

 最近輸入食品の「食の安全」が問いただされています。例えば、食品に異物が混入するようなことがあった場合、輸入業者は、衛生管理は基準を持って監査もして、気を遣っていた。それでも故意的に異物が混入したということがあったとしたら、これは、衛生管理だけで防げたリスクではなかったということになります。つまり、業者は衛生管理以上のことまで責任を持って工場と工場の現地社会と付き合わなくてはならないということなのです。従業員の安全衛生、生活管理に関わるところを見落としていると、製品にも影響してきますから、そこまできちんと見ていきましょうというのもCSRの観点です。そこまでやるのは大変なのですが、何かあったら従業員がストをするなどで工場が止まることも起こるわけで、人は意図的に会社に対し悪いこともできる。問題を起こさないような啓蒙をしておくのもCSRになっていきます。どこまでやるかは実際的には難しく、全部徹底的にやれということではなく、そういうところに意識を持つのが大切だということです。
 実際、コストの安さを追求していくと、どんどん労働条件は悪くなっていきます。完璧にはできませんが、委託工場に対して、品質管理だけでなく、適正な労務管理をしていますか?というところまで追求しなくてはならない。運営の話でもあるのでなかなか簡単にいかないけれど、労働条件は過酷でないか?ということは、一緒に考えなければいけない課題の一つになってきているんです。


 ………安いものを追求するとリスクも高くなる

 今安い賃金で労働力を提供している国々でも、所得が上がり、美味しいものを食べ、良い生活をしたいと言うのを阻止することはできません。労働力もいつまでも安いままではないのです。どうも人間社会では工業的に何でも解決できるという方向に行きすぎているところがあります。そもそも物を作るのは労力のかかることで、家を造るのも、お茶碗一つくるにしても、食料だって自分で畑を耕すこと考えるとどうでしょう。安くできるというメカニズムにはある意味トリックがあるといえます。
 搾取や汚染をしながら安くできますと作ってしまうのは作る側にも問題はありますが、実は使う側がその資本を提供しているということも忘れてはいけません。
 原油や食料原料の価格が上がることも広い意味では資源の枯渇など持続可能性に関わります。また日本では環境ばかりが注目されていて、地球環境と世界の貧困問題が遠いと思われているかも知れません。開発や気候変動で最初に被害を受けるのは貧困地域であり、地球環境問題と世界の貧困問題はすごく近く関連しているのです。そういったことも広く含めて考えて対応していくのもCSRです。 環境と開発の両方を考えてどうやって持続可能な企業活動を行なっていくかということです。目の前の問題をどうするかということを悲観的になって「抑えろ」「抑えろ」ではつらいですし、景気が良ければまだしも、先行き不安のなかで、それでも利益は出していかなくてはならない。「気候変動対策」はいま最も注目されている問題ですから、まずこれをきっかけにできるところからプラスに考え、新エネルギー開発とか、次世代資源を開発するとか、全ての解決にはならなくても、そちらに目を向けていくことが企業活動の活性化にも繋がるのではないでしょうか。経済活動はやめられませんから、プラスの事業開拓をしていくということが必要なのです。


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海野みづえ氏