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都市開発版SEGES

2007.02.13更新

都市開発版SEGES 第1回セミナー

〜都市開発版SEGES 第1回セミナー報告〜

財)都市緑化基金SEGES 事務局

 建築・開発段階における緑地の評価・認証制度である都市開発版SEGESは、2007年度より評価制度の運用を試行的に実施するため、評価マニュアルの作成とトライアルサイトの発掘に取り組みます。
それに先立ち、「緑豊かな環境が不動産の価値や街の魅力にどのように影響し反映されているのか」を実際に体感しながら、都市開発における緑地評価のポイント等について関係者の皆様と意見交換することを目的としたセミナーを下記のとおり実施しました。


日時 平成19年1月26日(金)13:30〜16:00

ガイダンス(40分)
・都市開発版SEGESの運用に向けて
  資料:都市開発版SEGES構築の背景

講義(40分)
・『広尾ガーデンヒルズ』の設計思想について
 三菱地所株式会社 ビル事業本都市計画事業室 井上 成 氏


現地見学(60分)
・『広尾ガーデンヒルズ』の緑地を中心とした環境施設
 (管理センターの方の話を聞きながら)


講義と現地見学リポート

 緑の中の集合住宅として質の高いブランドイメージが定着している広尾ガーデンヒルズ。
開発地は渋谷丘陵の外縁に位置し、周辺には学校や公園など緑地を維持した“斜面地のみどり”が存在していた。そうした地域の緑地ともつながりを持たせ、周辺環境と調和することが、みどりの計画コンセプトにあげられていた。
 1981年の外部空間計画についての資料では、「計画の外部空間デザインを、造園的観点から検討すること」と記され、デザインするにあたっての空間と緑の関係性について、細かく検討されていた。
 5つのゾーン区分それぞれに個性を持たせるために、ゾーンに期待されるテーマに合った緑地の機能が設定された。それらは、象徴性、緑陰性、修景性、緩衝性、遮蔽性などである。また、各ゾーンは骨格街路の街路樹によって結ばれており、その一部は、既存のケヤキを移植して配すことで歴史の継承を果たしている。



 結果、竣工後には施行前よりみどりがゆたかになったかのような仕上がりとなり、緑のポテンシャルを活かして資産化することでブランドとしての付加価値を生んだ好例となった。
 住み続けたいという“所有感”をもつ住民の緑地も含めた維持管理に対する意識は高い。
 全体の管理は20年にわたり1社が手がけ、各棟の管理者と、それらを束ねる集中管理センターからなっている。時間の経過と共に、伴ってくる問題点などをその都度丁寧に解決しながら住民との信頼関係を築いている。
 コンセプトワークによって緑の役割とその位置付けを明確にしたことに、ゆきとどいた管理で質を継続的に改善すること、住民が修景に対して意識も高く誇りをもっていること、などが加わり、計画コンセプトがうまく実現しブランドイメージを確立し得たと言えよう。
 後の様々なプロジェクトに、「緑の付加価値」を印象づけ影響を与えた『広尾ガーデンヒルズ』。竣工から20年、緑地全体を今後の数十年にむけてどのように維持管理しつづけるか、また後続の指針となっていくであろう。


↑葉のない冬の状態でもケヤキ並木の存在感は大きい。各ゾーンを繋ぐ植栽も手入れがゆき届いている。